建売住宅が向いている人は?メリットデメリットを解説

建売住宅のメリット・デメリットを詳しく解説します。建売か注文か悩んでいる方に読んでもらうと参考になる記事です。注文住宅との比較も含めて解説しています。また、建売住宅に関わるお金の話や選び方のポイントなどの注意点についても紹介していきます。

一戸建てを検討する中で、建売を選択肢に入れる方は多いのではないでしょうか。

その中で、まだ注文住宅と建売住宅で悩まれる方もいると思います。

今回はそんな方々に向けて、建売住宅のメリット・デメリットを詳細に解説していきます。

記事の中では、建売住宅にまつわるお金の話や選び方のポイントも紹介していきます。

早速ですが、今回の記事のまとめです。

建売住宅のメリット

・購入までの期間が短く手間が少ない
・注文住宅に比べてお手頃価格で補助金利用も可能

建売住宅のデメリット

・オーダーができない分、間取りなどに妥協が必要
・途中経過が見えない分、品質面の不安がある

建売がおすすめな人はこんな人

・とにかく手間なく住宅を購入したい方には建売がおすすめ

1. 建売住宅のメリット

建売住宅では、すぐに引っ越せることや仕上がりを見ながら納得して買える点が魅力です。
ここではそうしたメリット以外にも、補助金やローンでのメリットもまとめていきます。
今回紹介する建売住宅のメリットは下記の4つです。

建売住宅のメリット

  • 検討から引越しまでが短期間でできる
  • 注文住宅に比べて手ごろな値段で購入することができる
  • 住宅ローンがシンプルで一本化できる
  • 補助金が利用可能か確実にわかる

1-1.検討から引越しまでが短期間でできる

建売住宅の一番の魅力は、そのスピード感です。

すでに完成している住宅を購入するので、1ヵ月もあれば引越しまで完了できます。

逆に注文住宅であれば、工期が早いハウスメーカーですら、契約から引越しまで6ヵ月以上掛かります。

入学や転勤などのライフイベントがある場合は、1ヵ月で引越し可能なのはとても魅力的でしょう。

ただし契約から1ヵ月での引越しとなると、住宅ローンの申し込みから登記・火災保険の契約などかなり忙しくなるため、事前に余裕をもった計画を立てておくと良いでしょう。

1-2. 注文住宅に比べて手ごろな値段で購入することができる

建売住宅は注文住宅に比べると、手ごろな値段設定になっていることが多いです。

これは決して品質が良くないという意味ではなく、建築に掛かるコストを効率化しやすいことが主な理由です。

施主様との打合せ時間が無いことや、ある程度規格化された住宅を建てることでコストを下げています。

同じ間取り・同じ構造であれば構造にかかる計算なども改めては不要であったり、同じ時期に着工することで、大量購入による経済メリットを出していたりします。

このような理由から、同じ品質の住宅であれば建売のほうが安く提供することができます。

1-3.住宅ローンがシンプルで一本化できる

建売の住宅ローンは、契約時の金額で一本化できるのでとてもシンプルです。

【注文住宅の支払いに関する流れ】


出典:ARUHI住宅ローン

注文住宅ではお金を用意するタイミングが複数あります。

実際は、多くの方が大部分を住宅ローンでまかなうことになりますが、本ローンとは別に「つなぎ融資」というローンを別で組む必要があります。(上図ではオレンジの部分)

建築会社は、着工のタイミングで家を建てるための材料を購入(立て替え)するため、「中間金」というお金が必要になってきます。

建築会社には、引き渡しが行われるまで最終的なお金が振込まれないため、このような処置が必要です。

この中間金は上図のように、土地の決済・建物の着工などのタイミングで実行されます。

ここでの注意点は、つなぎ融資は土地の購入~住宅の引渡しまでの短期間ですが、通常の住宅ローンよりも高い金利が発生します。

建売住宅ではこうした支払いの複雑さが無いため、ローンにかかるコストも抑えることができます。

1-4.補助金が利用可能か確実にわかる

最後の4点目は、建売住宅は補助金活用の可否がハッキリわかります。

実は注文住宅の場合、工事完了日などが間に合わない場合などの理由で、補助金がもらえないこともあります。

建売住宅であれば「工期が間に合わない」ということは無いので、対象に入っていることと条件が満たせていれば補助金を活用できます。

こどもみらい住宅支援事業 【新築住宅向け支援内容】
対象住宅 断熱性能 省エネ性能 補助額(1戸)
①ZEH(Nearly・Ready・Oriented含む) 強化性能 基準消費量 -20% 100万円
②高い省エネ性能等を有する住宅 省エネ基準 基準消費量 -10% 80万円
③一定の省エネ性能を有する住宅 省エネ基準 基準消費量 60万円
対象期間:R4年10月31にまに契約・着工・基礎工事の完了が必要

一例として、2022年度の補助金を例に紹介します。

注文住宅の場合は工事期間があるため、例えば10月31日に契約しても間に合いませんが、建売であれば10月31日の契約でもギリギリ間に合わせることが可能です。

また、補助金には予算枠があるので先着順に無くなっていくことが多いですが、建売住宅の場合は予算枠の関係で時間がない中でも、活用できる可能性が高くなります。

2. 建売住宅のデメリット

代わりまして、ここからは建売住宅のデメリットを紹介していきます。

メリットだけでなくデメリットも知ることで、後悔の無い家選びに役立ててください。

建売住宅のデメリットは下記の3点です。

建売住宅のデメリット

  • オーダーができないため間取りやデザインに妥協が必要
  • 建築中の様子が見れないため途中のチェックができない
  • 土地を分割して建てるため隣家が近い

2-1. オーダーができないため間取りやデザインに妥協が必要

建売住宅では要望に合わせたオーダーができないため、どうしても妥協が必要になります。

収納の量や間取りのバランスなど、ズバリというものを見つけるのは難しいでしょう。

建売住宅を検討する際にはある程度譲れないポイントを決めておき、

それ以外の所は妥協していく気持ちで決めていくと、買い時を逃すことが減ります。

条件が良ければ他の人との競争になるので、判断が早いに越したことはありません。

2-2. 建築中の様子が見れないため途中のチェックができない

注文住宅では施工途中にチェックしに行くことが可能ですが、建売ではできません。

完成後の状態しか見えないために、品質面が不安という方は多いでしょう。

もし気になる方は「住宅性能表示」がついた住宅を選ぶことをおすすめします。

これは第三者機関が住宅の品質をチェックする仕組みです。


出典:一般社団法人住宅性能評価・表示協会HP

住宅性能表示には上図のとおり、「設計」と「建設」があります。

「設計性能評価」は図面などの書類上のチェックを行い、「建設性能評価」は実際の現場を確認している証明になります。

この2つの観点から、第三者機関がチェックして「住宅性能表示」をしている建売物件をオススメします。

2-3.土地を分割して建てるため隣家が近い

建売住宅は大きな土地を分割して効率的に家を建てることが多いので、隣家が近くなりがちです。

家同士が近い場合、日当たりやプライバシーの問題が出てきます。

建売住宅を検討する場合は、そういった部分の対策がきちんと取られているかもチェックしましょう。

3. 建売住宅に向いている人は「煩わしいやり取りを抜きにして住宅を探したい人」

あらためて今までのメリット・デメリットを整理すると、建売住宅が向いている人はズバリ「煩わしいやり取りを抜きにして住宅を探したい人」です。

注文住宅では土地探し・間取りの打合せ・複雑なローンの契約など、長期間に渡って家のことで拘束されます。

こうした時間が煩わしいと感じてしまう人は、建売住宅がおすすめです。

立地と建っている家だけで判断できますし、ローンも含めて契約内容はとてもシンプルです。

「プランを自由に決められない」などのデメリットはありますが、家づくりに掛かる負担は大幅に減らせるでしょう。

4. まとめ

今回は建売住宅のメリット・デメリットについてまとめました。

購入までのスピード以外にも、お金の話や気を付けるべきポイントを紹介しました。

それでは、本文の内容も踏まえて今回の記事のまとめを再度お伝えします。

今回の記事のまとめ

  • 建売住宅のメリットはなんといってもスピード感と手間の少なさ
  • 建売住宅でも補助金が利用可能で、対象の判断も簡単
  • 品質が不安な方は、住宅性能表示付きの住宅を検討してみる
  • とにかく手間なく住宅を購入したい方には建売がおすすめ
澤村知範

この記事を書いた人

澤村知範
オウチの学校代表

これまでの多くの住宅取材経験と自らが建築に関わってきたスキルの集大成として、家づくりの成功メソッド「オウチの学校」を設立。