電気料金が大幅高騰!新築に太陽光発電はやっぱり必要?
新築住宅での太陽光発電に関する解説記事です。太陽光発電の導入メリットを初めての方にも分かりやすくまとめています。太陽光をより賢く使うための方法についても解説しているので、すでに太陽光を設置済みの方も参考になる記事です。
近年石油価格の高騰もあり、電気料金が大幅に上昇しています。
そのような状況の中、太陽光発電を新築に検討される方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな太陽光発電を検討されている方のために、太陽光の仕組みからどんなメリットがあるかまで、詳細に解説していきます。
早速ですが今回の結論です。
今回の記事の結論
・電気料金が値上がりしていく中で、太陽光発電の導入はおすすめ
・太陽光発電は自家消費と売電、2つのメリットを足すことで元が取れるシステム
・太陽光を最大限活用するために、給湯設備や自動車の「電化」が重要
電気料金の高騰や電力不足
太陽光発電を検討される理由の一つとして、電気料金の高騰があります。
ここでは電気料金が実際どれくらい上がっているのかと、その理由について解説していきます。
電気料金は約10年で25%高騰
結論からすると電気料金は年々上がりつづけています。
出典:経済産業省 日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」
ご存じの通り、2011年の大震災で原子力発電所が停止したのち、日本の電気料金は上がり続けています。
とくに石油価格と電気料金は強く関連するので、ウクライナ戦争などの影響で石油の輸入が不安定になっている今はさらに上がっており、
2022年現在の電気料金の平均単価は25.5円kWh(2010年比25%増)となっています。
(2022年8月九州電力 燃料調整費含む)
近年は電力不足も顕在化
近年は電力不足も顕著です。
理由は様々ですが、特に2022年は早く来た猛暑の影響で、東京電力では6月の電力使用率が97%になるとの予想も出されていました。
使用率の目安
出典:東京電力パワーグリット でんき予報
ちなみに電気は発電量よりも使用量が上回ると大規模な停電となります。
今までであれば電気は「お金を払えば使えるもの」でしたが、これからは「お金を払っても使えない」時代がやってくるかもしれません。
太陽光発電の仕組みとは
ここからは太陽の仕組みについて解説していきます。
太陽の光で半永久的に発電する
太陽光パネルは太陽の光が当たると発電します。
これは太陽光パネルに使われている「シリコン(半導体)」の素材そのものの性質なので、太陽の光さえあれば半永久的に発電してくれます。
上の絵は太陽光パネルを横から見た断面図です。
パネルで発電された電気は家の中に流れていき、家電製品を動かします。
発電した電気は自家消費か売電ができる
発電した電気は家で使うだけでなく、電力会社に販売ができます。
作った電気は基本的に家の中で自家消費されますが、家での使用量が少ない時は、余った電気を自動かつあらかじめ決まった価格で電力会社が買い取ってくれます。
これは法律で決められた制度で「固定買い取り制度(FIT)」と呼ばれています。
太陽光発電のメリット
ここからは太陽光発電のメリットについて解説していきます。
太陽光発電のメリットは次の2つです。
・発電した電気を自家消費することで、電力会社から電気を買わなくていい
・発電して余った電気は電力会社に買ってもらえる
それでは順に解説していきます。
太陽光の発電単価とは?
まず太陽光のメリットを理解する前に「発電単価」という言葉を覚えて下さい。
この「円/kWh」という単位は電気料金と同じ単位なので、電力会社から購入する場合にそのまま比較できます。
ちなみに、経済産業省が算出している発電単価は「17.1円/kWh(2020年)」です。
さらにこの発電単価は太陽光発電導入費用が毎年下落しているため、年々下がり続けています。
自家消費することで電気代が抑えられる
太陽光発電のメリットでもっともメインになる部分が「自家消費」です。
太陽光発電をすると発電した電気は家で使うことができるので、発電量が足りている間は電気を買う必要がありません。
これが「自家消費」のメリットです。
さらに現在は先ほど説明した「発電単価」よりも、電力会社から購入する「電力単価」の方が高いので、太陽光発電を導入することで日々の電気代を大幅に安くすることができます。
発電単価:17.1円/kWh
電気料金:25.5円/kWh(2022年8月九州電力 従量電灯B 燃料調整費含む)
売電することで収入が入る
住宅に載せる太陽光は、発電開始から10年間は決められた価格で売電することができます。
この売電で入ってくる収入が2つ目のメリットです。
現在の売電単価は17円(22年度)となっていますので、使い切れず余った電気は、発電単価とほぼ同じ金額で買い取ってもらえます。
実はこんなにある電気の使い道
太陽光をお得に使う上で大切なのが、なるべく家で電気を使うことです。
ここではなぜ電気を使ったほうがいいのか?電気の使い道にはどんなものがあるのか?解説していきます。
自己消費を増やせば増やすほどメリットが大きい
じつは太陽光は売電をするよりも自家消費を増やしたほうが、メリットが大きいです。
自家消費のメリット:電気料金25.5円/kWh
売電のメリット :売電単価17.0円/kWh
上の通り、現在は売電単価よりも電気料金の単価の方が高いので、なるべく自家消費をすることによって太陽光を最大限お得に使えます。
ただ自家消費がお得だからといって、むやみに電気を使うのはNGです。
太陽光を上手に使うには、この先で紹介するような無駄なく電気の使い道を増やすことが大切です。
エコキュート(電気式給湯器)
太陽光を上手く使う上で大切なのがオール電化にすることです。
その中でもエコキュート(電気式給湯器)は電力使用量が大きいので、昼の太陽光の電力を使って湯沸かしすることで、太陽光の自家消費に活用できます。
給湯は家で使うエネルギーの約20%を占めるため、とても効果的な方法です。
電気自動車
普段使う自動車を電気自動車に変えることも、太陽光発電とは非常に相性のいい方法です。
日産リーフを例に取ると、太陽光発電を使って充電した場合、ガソリン換算で燃費が約65km/Lとなります。
これはどんな低燃費のハイブリットカーでも敵わない燃費です。
計算例
・ガソリン1Lと同じ金額(150円)の発電量:150円÷17.1円(発電単価)=8.7kWh
・リーフが1kWhで走る距離(電費):7.5km/kWh(60kWhタイプ)
・ガソリン1Lの価格でリーフが走れる距離:7.5km/kWh×8.7kWh=65.25km/kWh
蓄電池
最後に太陽光発電を最大限活用する方法として蓄電池があります。
蓄電池を使うメリットは以下の二つです。
・災害時や停電時なども電気の自給自足ができる安全性
・昼に貯めた電気を夜使うことで電気を買わない経済性
安全性に関しては、災害時でも避難所に行かず家で過ごせる点が、最近は感染症対策の面で大きく評価されています。
日中に太陽光発電で充電できれば、連続して夜間も電気を使うことが可能です。
出典:京セラ ENEREZZA
また経済性についても、電気代が上がり続けているので、その価値は上昇しています。
停電していない時でも、昼に貯めた電気を夜に自家消費できるので、その分電気代が節約できます。
自家消費のメリットだけでは導入費用をすべて賄うことはまだ難しいですが、見かけの導入費用よりもずっとお得に蓄電池が導入できることは、見落としてはいけません。
蓄電池は安全性・経済性両方を考慮して検討しましょう。
まとめ
今回は住宅の太陽光発電について解説させて頂きました。
太陽光発電は電気代がどんどん値上がりしている状況では必須の設備と言えるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にして頂き、太陽光発電の導入を検討してください。
それでは今回の記事のまとめです。
- 昨今の電気は料金が値上がりしているだけでなく、電力不足も問題になっている
- 太陽光発電は家庭の屋根に設置して、半永久的に発電する設備
- 太陽光発電は自家消費と売電、2つのメリットがある
- 2つのメリットを合算するとまだまだ元が取れるシステム
- 電気料金が高騰しているため、電気を買わずに済む「自家消費」のメリットが重要
- 「自家消費」を増やす方法として、給湯や自動車を「電化」するのがおすすめ